熱流体工学における最適化問題

機械・生体系部門

熱流体工学における最適化問題

研究室概要

結果から原因を探る「逆解析」で、熱流体現象に挑む

水、空気、血液など、流体やその流れに伴う熱や物質の輸送現象は、身近なところに様々な姿で存在しています。
飛行機の翼、自動車のボディ、発電タービンのブレードなど、流体と関わる機械や部品も多く、工学的には流れを自在に制御する設計が重要となります。
流体の支配方程式は、質量保存則と運動量保存則に基づいており、解析解を得るのは難しいため、古くから実験観察や計測が行われてきました。約30年前からは、コンピュータシミュレーションが適用され、計算精度が向上し、実験結果と一致するようになっています。しかし、製品設計には多くのサンプルが必要で、時間とコストがかかり、最良のモデルを見つけるのは困難です。

長谷川研究室の研究は、新しい流体力学のアプローチに焦点を当てています。水や空気、血液などの流れとそれに伴う熱や物質の輸送現象を対象とし、これを制御するための設計が重要です。実験とシミュレーションの結果を利用し、逆解析(随伴解析)という手法で最適なモデルを導出することを目指しています。この方法は、従来の試行錯誤に比べて効率的に最適な形状を見つけることが可能です。

逆解析のアプローチが有効なのは形の探索だけではありません。
最尤推定 (さいゆうすいてい)という統計学の手法を用いて、環境センサーの測定結果から流れの状態や汚染物質の発生源を推定する研究なども行っています。

私たちの体を流れる血液、飛行機に揚力を与える空気の流れ、地球をめぐる海流や大気など、ミクロからマクロまで、流体が関わる現象や製品は実に多様。流体力学、伝熱工学、応用数学などに関する先端研究を武器に、社会貢献したいと考えています。

担当教員 / 研究室
長谷川 洋介
開催場所

6月7日(金)

De棟 2階:De201

6月8日(土)

De棟 2階:De201