基礎系部門

最先端赤外レーザーで拓く光科学

  • (7) エネルギーをみんなに そしてクリーンに

  • (9) 産業と技術革新の基盤をつくろう

  • (12) つくる責任 つかう責任

  • (13) 気候変動に具体的な対策を

  • (17) パートナーシップで目標を達成しよう

研究室概要

赤外光は目には見えないものの、私たちの周りにあふれている身近な光です。 いま、最先端のレーザー技術によって、規則正しく、また旋律を奏でるかのように美しく波打つ赤外光を作ることができます。私たちは、この人工的な赤外光を巧みに利用して、微量の分子を高い感度で検出する技術や、分子の反応をコントロールする技術を開発しています。

今回のキャンパス公開では、この目に見えない赤外レーザーを体感できるようなデモンストレーション実験を企画しています。

担当教員 / 研究室
芦原 聡
開催場所

6月7日(金)

Ce棟 3階:Ce302

6月8日(土)

Ce棟 3階:Ce302

赤外フェムト秒レーザーの開発

さまざまな周波数の光を巧妙に重ね合わせることで、100 fs(10-13 秒)という非常に短い時間幅をもつ光を創ることができます。私たちは、とくに赤外光が秘める可能性に注目し、赤外域で直接発振する最先端の固体レーザーを開発しています。また、個々の周波数の光の振幅と位相を精密に制御することで、任意の電場波形を創り出す技術も開発しています。

先端レーザーで拓く振動分光

赤外域の光は、分子の振動と共鳴するという重要な性質を持っています。この性質を利用すると、分子に吸収された光の波長から、分子の構造が分かります。この手法は振動分光法と呼ばれ、基礎科学にとどまらず、環境計測や呼気診断などさまざまな分野への応用が期待されています。私たちは、赤外フェムト秒レーザーがもつ高い空間・時間コヒーレンスを活用して、分子の高感度検出に向けた新しい分光法の開発に取り組んでいます。

超高速分光・量子制御

物質を原子・分子レベルで観測・制御することは、現代科学の大きな目標の一つです。赤外フェムト秒レーザーを用いれば、化学反応や相転移などの超高速現象を直接捉えるだけでなく、それらを積極的にコントロールすることができます。私たちは、赤外フェムト秒レーザーをはじめとする光技術を駆使しながら、赤外光と物質のコヒーレント相互作用を突き詰めることで、新しい超高速分光法・量子制御法の創出に取り組んでいます。