人間工学、生理学の知見に基づき、身体性をシステム的に理解し設計可能とする
研究室概要
生理的・認知的・物理的知見に基づいて、システムとしての身体の機序を追究し、人間が生得的に有する感覚機能、運動機能、知的処理機能を物理的、情報的に拡張・補償する「身体情報学」に関する以下の研究を行っている。
(1)自在化技術:ユーザの意図を適切にセンシングし、作業対象の情報をユーザの身体に適切にフィードバックする必要がある。視線、筋電などの生体情報や環境情報のセンシング技術、機械学習等による意図推定・行動予測技術、筋電気刺激などのアクチュエーション技術を統合し、人間の入出力を拡張する研究開発を行う。
(2)人間拡張工学:バーチャルリアリティ、拡張現実感、ウェアラブル技術、ロボット技術、テレイグジスタンスなどを援用し、人間の能力を拡張することで、超身体、脱身体、変身、分身、合体など、新たな身体観を工学的に獲得するための研究開発を行い、超高齢社会対応など社会実装することを目指す。
(3)主観的体験の共有・伝達技術:主観的な体験・経験を身体や空間に広がる視覚・聴覚・触覚として記録、再生、伝達するシステムを構築し、サプリメントのように日常生活の質(QoL)を豊かにする技術の実現を目指す。エンタテインメントコンピューティング、超人スポーツ、技能伝承などの領域へ向けた研究開発を展開する。
(4)知覚・感情体験の設計:人間の身体と心は不可分の関係にあり、知覚や感情などの主観的な体験は自己や他者の身体を媒介として構成される。心理学・生理学の知見をベースに、情報技術によって自己や他者の身体に対する認識を変容することで、任意の知覚や感情体験を構成可能にする手法を設計する。
(5)ワイヤレスインタラクション:分布定数系の概念に基づいて,マイクロ波・テラヘルツ波・超音波などの各種波動や流体を制御する広義のワイヤレス技術によって、情報・エネルギー・物質を非接触的に伝送することで、ユーザの身体性を損なうことなく認識行動を支援することを目指す。
- 担当教員 / 研究室
- 稲見・門内研究室
6/7(金) 10:00-17:00
6/8(土) 10:00-17:00